知床世界遺産とジャガイモの花

2011/07/14

現在、知床・斜里町内の多くの場所で、畑一面に白い花が広がっています。
よく見ると、近くにようやく黄金色になりかけた小麦畑が沢山広がっています。

ジャガイモの花と色づき始めた小麦。
晴れた日は、百名山・斜里岳の山麓に輝いた畑と農作物が一杯に広がっているのを見ることが出来ます。

少し話は変わりますが、
知床世界遺産は海も登録されたことが大きな特徴の一つです(下記のイラスト1参照)。
サケ類の遡上があること、流氷が接岸する時期や流氷がつくった海岸線の特殊な地形を多くの生き物が利用するためです。
しかし、登録範囲をよく見ますと、斜里・羅臼両町の文化・歴史もうかがうことが出来ます。

イラスト1(知床世界遺産登録範囲)

拡大図がご覧いただけます → 登録範囲図(知床データセンター参照)

海の登録範囲に注目しますと、羅臼町側の海域登録エリアは斜里町側の海域よりも狭くなっています。
羅臼町は漁業を中心として栄えてきた町。実際、羅臼町の海岸線を見て回ると登録地入り口のルサという場所まで、船着き場や集落が点在します。
斜里町はというと、江戸時代後期から漁業も盛んでしたが、半島付け根の斜里平野での農業も行われています。斜里は明治30年代、ウトロは大正14年頃から開拓が始まったと言われています。主に、でん粉加工のためのジャガイモ、お砂糖を作るための砂糖大根(ビート)が多く、その他では、そば粉や小麦(春よ恋という品種が有名)の栽培も盛んにされています。

知床世界遺産センター内では、大きな衛星写真のパネルや知床半島を1/25,000に凝縮した模型がご覧いただけます。
世界遺産を有する町はどんなところなのか?そんな視点で知床をお楽しみいただくのもおすすめです。

担当:イナバアヅサ